Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
あれこれ考えていると、お兄さんは肩を震わせ笑っていた。



『いつもそんな感じなの?』

「えっ!?」



そんな感じってどんな感じなの!?



『表情がころころ変わって面白い子だね』

「それ…どう受け取ったらいいんですか?」

『僕は誉めてるつもりだったんだけど、気分を悪くさせてしまったかな?』

「そんな事ないです…」



ふんわり笑うお兄さんの笑顔もお日様みたいだと思った。


京ちゃんみたいに元気をくれるお日様じゃなくて、癒してくれるようなお日様。




『僕は昴(スバル)。君のお名前は?』

「まりあ…です」

『聖母マリアと同じ名前だね。愛らしいまりあちゃんにぴったりな名前だ』

「本当ですか!?」

『うん』



昴さんの言葉はお世辞だとしても嬉しかった。


それに、そんなふうに言ってくれたのも昴さんだけ。




「お母さんが聖母マリアが好きで、私にまりあって名前をつけてくれたんです!私もマリア様みたいに、慈悲深くて愛の溢れた人になりたいなって思ってます」

『きっとなれるよ』



昴さんの一言一言が嬉しくて私は自然と顔が緩んでしまう。








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