Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『もしも、後悔するかもしれないという思いが少しでもあるなら、今の状況は賢明ではないかもしれないよ』



穏やかな声だけど、今の俺の心には重く響いた。


後悔するかもじゃなく、もう既にまりあにあんな態度を取った事を後悔している。



『まぁ、自分の気持ちと時間を大事にしなさい。何かあればすぐに呼ぶんだよ』

『はい、ありがとうございます』



織原院長は笑って病室を出て行ってしまった。


まりあに会いたいし連絡も取りたい。


でも、こんな状態で取らない方がいいという思いもある。



「…事情はよく分からないけど、連絡取りづらいなら私からまりあちゃんに連絡してみようか?」

『お前にそんなこと頼むなら自分でする。それにお前まりあの連絡先知らねぇだろ』

「それは、そうだけど……」



本当にここ最近音葉は変わった。


具体的には説明できねぇけど、なんというか…しおらしくなった?ような気がする。


男でも出来たか?


俺は、まりあが欲しい…皮肉なことにこんな状態なのに前よりもまりあのことを好きになっている……。


まりあ…………。





< 199 / 253 >

この作品をシェア

pagetop