Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『今日のまりあちゃんは一段と綺麗だね』

「アハハ、ありがとうございます。気合い入れてお化粧しましたから」

『成瀬君は幸せだね。こんなにまりあちゃんに想ってもらえて』

「だといいんですけど。私の愛はかなり押し付けがましいですから」

『僕なら大歓迎だよ』



薄暗くて静かな廊下には私たちの笑い声だけが響いている。



「昴先生…ワガママを聞いてくれてありがとうございます。これで最後にしますから……」

『もう慣れっこだよ。だからそんな寂しい事言わないで』

「…ありがとうございます」



今私は京ちゃんの病室に向かっている。


堂々と会いにいくんじゃなくて、寝ている時間にこっそり会いに行く。


京ちゃんは昴先生の担当じゃないから、普通はセキュリティを解除する事は出来ない。


でも今回私のワガママを聞いてくれて、こっそりカードを持ち出してくれた。


私は昴先生に職員としてあるまじき行為をさせてしまった……。






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