Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
物音一つしない静かな部屋で私は小さな小さな声で京ちゃんに話しかけた。



「久しぶりだね。元気にしてた?私は…気持ちは元気だけど、体は辛いかな」



当然ながら京ちゃんからは何の反応もない。


だけど、私にはそれで十分だった。


顔を見れただけでも幸せだから。



「勝手に部屋に入っちゃってごめんね。堂々と来ても京ちゃんに追い出されると思ったから……っていうのは只の言い訳、だね。今の私の姿を見せたくなかっただけかも…きっと幻滅しちゃう」



頑張ってご飯を食べてもどんどん痩せていく。


少しでも痩せないようにすることが精一杯………。



「今日はどうしても顔を見てお礼を言いたかったんだ」



泣かないと決めて来たはずなのに、もう涙が流れ落ちた。


お化粧をしているのも忘れ、袖で乱暴に拭ってしまった。



「私が今こうしてここにいるのは京ちゃんのお陰…京ちゃんが第二の人生をくれた。そして、楽しくて切なくて幸せな色んな思い出をくれた…本当は言葉なんかじゃ気持ちを表せないけど………ありがとうッッ」






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