Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
今度は背中をポンポンと叩いてくれる。


赤ちゃんをあやすように。



”まりあは一人ばっちになんかならないわ。お母さんがいるもの”

”私はお母さんと同じところには行けない”

”どうして?”

”お母さんにッッ謝っても謝り切れないことッを、しちゃったからッッ……”



私のせいでお母さんは死んでしまった。


私がお父さんからお母さんを奪ってしまった。


もしも死後の世界が色々存在するのなら、こんな私がお母さんと同じところになんて行けるはずがない。



”今でもお母さんはまりあの事を愛してるわ。それに約束通り手術を受けてくれて、こんなにいい子で綺麗に成長してくれた”

”……お母さん”

”いつだって、まりあはお母さんとお父さんの愛する娘よ”



私の目からはまた涙が流れ落ち、お母さんに体を預ける様に頭をゆっくりとお母さんの胸にのせた。


温かい……。


はっきりと感じるわけじゃないけど、そんな気がした。






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