Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
誰かが喋っているけど、何を言っているのかもう分からなかった。


頭がボーっとする……。


だけど、薬のお陰なのか不思議とさほど痛みも苦しみもない。


それだけが救いかもしれない。


ふと真っ白い天井に目を向けると、お母さんが私を安心させるかのように微笑みながらこっちを見ていた。



「来て…くれ、たの?」

"まりあは1人じゃないって言ったでしょ?お母さんが傍にいるわ"

『まり、あ?』



私は最後の力を振り絞るように、お母さんに向けて手を伸ばした。



「おかぁ…さん……」



お母さんの手を取ると、急に体が軽くなり私は目を閉じた。














京ちゃん……おやすみ、なさい………。





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