Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
堀口先生の目を見ると、苦笑いされてしまった。



『そんなに警戒しないで大丈夫だよ。これはまりあちゃんから渡して欲しいって頼まれたものだよ』

『…まりあから?』


そっと手紙を2通受け取ると、ピンクの手紙には"京ちゃんへ"と書かれていて、ブルーの手紙には"京ちゃんと音葉さんへ"と書かれていた。



「私の名前も書かれてる……何でだろ………」

『僕は内容までは知らない。ただ、ピンクの手紙から開けて欲しいって言っていたよ』



まりあからの手紙だということは分かった。


でも、納得いかなかった。



『何でまりあは直接俺に渡しに来ないんですか』

『どうしてだろうね。深い事情までは聞いていないから、僕からは何とも言えない。読みたくなければそれはそれでいいと思う』



意味ありげな言い方をされ俺の心は苛立ち始める。


音葉は俺たちのやり取りを心配そうに見ている。





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