Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『…………』



思考が止まってしまったかのように何も頭に浮かばない。


自分が息をしているのかさえ分からない。


手紙を持つ手が震え、目からは止まることなく涙が流れ落ちている。


俺の肩に顔を埋めている音葉も嗚咽を漏らしながら泣いている。


だけど、今の俺には声をかけてやれる余裕なんてなかった。



『嘘…だ、ろ……まり…あ……まりあッッ』



いつもみたいに笑って出てきてくれよッッいつも、みたいにッッ!!!!!



『お、れ…だけ生き残ってッッお前がいないって、どうッいう事だよッッッ!!!!』



この時俺はようやく堀口先生が言っていた事を理解した。


まりあの代わりに堀口先生が話をしてくれるんだろうと……。


手紙は後もう1枚残ってる。


でも、残りの1枚を読むのが怖い。


手も震えていて上手く動かない。





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