Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
やっぱり3枚目の手紙を読む勇気が出ず、手紙を封筒に戻そうとした。


だけど音葉に手を掴まれ、制止させられてしまった。



「ッッ私は、読み…たいッ!!」

『音葉……』

「ここにはッッ、まりあちゃんの想いが詰まってるんだもんッッ」



まりあの想い……。


もう、会うことも話をすることも叶わないまりあ。


でも、最後の手紙を読めばもうまりあと触れ合うことができないような気がした。



「1人じゃない」

『え?』

「私がいる…それに、まりあちゃんだって傍で心配そうに見てるよ」

『…まりあはッッもういないッッ!!』



その瞬間音葉に思いっきり頬をぶたれた。



「まりあちゃんは私たちの心と一緒に成長するんだよッッ!!まりあちゃんは私たちの心の中でずっとずっと生き続けるんだよッッ」

『ッッあぁ……』



涙で濡れ、くしゃくしゃになった手紙を開き震える手で3枚目を捲った。


そんな俺の背中を音葉は優しくさすってくれていた。





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