Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『まりあはその…いつ……』
『…成瀬君が心臓移植を受ける前日だよ』
俺の口からはいつまりあが死んだかなんて聞けなかった。
まだ、実感がないんだ……。
『まりあちゃんは生前院長先生に手紙を渡していた。その手紙の中にはドナーカードも一緒に入れられていた』
『ドナーカードって…臓器提供するかどうかって事…ですよね……』
『あぁ、そうだよ。眼球にだけバツがつけられていたんだ…どうしてかわかるかい?』
『……いいえ』
俺は自然と不安そうな顔になっていたのかもしれない。
そんな俺を安心させるかのように堀口先生は笑顔を向けた。
『院長先生が理由をまりあちゃんに尋ねたら、目を失ったら京ちゃんの事を見守っていられなくなるからって答えたそうだよ』
『まりあ、が…そんな事を?』
『こんな言い方をすれば人によっては重たく聞こえるかもしれないけど、まりあちゃんにとって成瀬君が全てだったんだと思う』
あんな酷いことを言って、病室から追い出したのにまりあがそんな事を言ってくれてたなんて……。
俺はどれだけ最低な事をしてしまったんだろうッッ。
『…成瀬君が心臓移植を受ける前日だよ』
俺の口からはいつまりあが死んだかなんて聞けなかった。
まだ、実感がないんだ……。
『まりあちゃんは生前院長先生に手紙を渡していた。その手紙の中にはドナーカードも一緒に入れられていた』
『ドナーカードって…臓器提供するかどうかって事…ですよね……』
『あぁ、そうだよ。眼球にだけバツがつけられていたんだ…どうしてかわかるかい?』
『……いいえ』
俺は自然と不安そうな顔になっていたのかもしれない。
そんな俺を安心させるかのように堀口先生は笑顔を向けた。
『院長先生が理由をまりあちゃんに尋ねたら、目を失ったら京ちゃんの事を見守っていられなくなるからって答えたそうだよ』
『まりあ、が…そんな事を?』
『こんな言い方をすれば人によっては重たく聞こえるかもしれないけど、まりあちゃんにとって成瀬君が全てだったんだと思う』
あんな酷いことを言って、病室から追い出したのにまりあがそんな事を言ってくれてたなんて……。
俺はどれだけ最低な事をしてしまったんだろうッッ。