Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『外出許可を取っていたんだけど、具合が良くなくてね……先生方は外出許可を取り下げなければいけないと言ったんだ。それを聞いたまりあちゃんが泣きじゃくってしまってね……』

『じゃあ、あの日まりあは無断外出したんですか!?』

『まりあちゃんのお母さんが少しだけでもいいから、外出許可を出して欲しいって先生方に頭を下げたんだよ。それで4時間の外出許可を出したんだ』



息を切らすほど走ってきてくれたまりあ……。


寝坊したと笑顔で言っていたまりあ……。


そんなまりあは俺の作ったクリームソーダを美味しそうに飲んでいた。



「私ッッ酷いこと……」

『音葉?』

「まりあちゃんに、酷いッッこと言っちゃったッッ!!」



音葉はそう言って両手で顔を覆い、前のめりになり突然声を出して泣き出してしまった。


訳が分からず俺は声を掛けてやることも、抱きしめてやることも出来なかった。



『大丈夫だよ、まりあちゃんはきっと気にしていないと思うよ?』

「そんなはずないですッッ!!」

『帰ってきたまりあちゃんはとても幸せそうな顔をしていたから』





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