Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
プライベートで見せる大津先生の顔から、お医者さんの顔になる大津先生。


今から検査結果の話をされるんだということが直ぐに分かった。



『病気のことだが、あまり宜しくないようだ』

「そうですか…」

『それで、非常に言い辛いんだが………』



言葉に詰まる大津先生を見て、何が言いたいのか私には分かった。


何度このやり取りをしてきただろう。



「入院…しなきゃダメですか?」

『そうだね、少し治療に集中したほうがいい。せっかく高校生になったのにまた入院生活を送るのは嫌だろうが…』

「今日は絶対入院の話をされると思ってたので、覚悟はしてきましたから。もう高校生だし、駄々捏ねずに大人しく大津先生の言うこと聞きます」

『そうしてくれると私も安心だよ』



今までも検査入院や、病状が良くないときは入院して治療を受けたりしていた。


入院して様子を見るのは、お父さんが心配性っていう理由もあるんだけどね。





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