Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
まりあの頭に手を置き、くしゃくしゃっとすると嫌がるどころか安心したように笑うまりあの顔が好きだ。


犬みてぇ。



『何か聞いて欲しいこととかあったら遠慮しねぇで言えよ』

「うん?どうしたの急に…」

『どうもしねぇよ!!』

「やめてぇぇぇ!!頭がボサボサになっちゃうじゃぁぁんッッ!!」



止めてと言いながら満面の笑みを向けるまりあが可愛くてしょうがなかった。


こんな気持ちは初めてで、どう処理すればいいのか分からなかった。


でも、幸せな気持ちには間違いなくて、まりあとのこういう何気ない時間がずっと続けばいいなと思った。



「ねぇ、京ちゃん」

『ん?』

「勝負のことなんだけどさ…」

『惚れたら負けってやつか?』

「うん。あれさ、負けた方が勝った方の望みを一つ聞くっていうのはどう?勿論聞ける範囲でだよ」



何を言い出すかと思えばそんな事かと思った。



『別にいいけど、何叶えてもらうかなぁ…』

「何で京ちゃんが勝つこと前提になってんの!?」



両頬を膨らまして怒ってるような顔をするまりあを見て俺は笑った。


まりあといる時が一番自分らしく、そして笑顔でいられる時間かもしれない。






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