Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
嫌いだった検査も診察も注射も、今ではすっかり慣れてしまって何とも思わない。


だけど、どうしても慣れない事がある。


それは、1人で摂る食事……。



「1人だとどうして食欲がわかないんだろ…」



もう誰も来ないはずのドアがノックされ、驚いてしまった。


看護師さんはさっき来たし、お父さんは今日は来れないって言ってたはず。


一応返事をすると、思いがけない人の声が返ってきた。



『良かったら開けてくれないかな?』

「は、はいっ!!」



ドアが開くと、ビニール袋を手に提げた昴さんが入ってきた。




「どうしたんですか!?」

『僕も今からご飯だったから一緒に食べようと思って。迷惑だったかな?』

「そんな事ないです!!正直…1人でご飯を食べるのは寂しくて…お箸が進まないところでした」

『その気持ち分かるよ。食事は誰かとした方が楽しいし美味しいからね』



昴さんはベッドの横の椅子に腰掛け、テーブルの上にコンビニのお弁当を広げた。





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