Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
「いつもコンビニのお弁当ですか?」

『ん~コンビニのお弁当と職員用の食堂のどちらかかな』

「それなら良かったです。職員用の食堂もバランスを考えたメニューになってますから、偏った食事にならないですね」



私の言葉に笑顔を見せる昴さん。



『まりあちゃんは優しいんだね』

「え!?そ、そんな事ないです!!」

『誰かに体の心配をしてもらったのは久しぶりだよ。職業柄、いつも自分が誰かの心配をしてばかりだからね』

「そうですよね。あまり、無理はなさらないで下さいね。私には気を遣わなくて大丈夫ですから」



まるで私を癒してくれているかのような、優しい笑顔を向けてくれる昴さん。


私以外の患者さんもこの笑顔に救われているんだろうなと思った。


お医者さんは腕のよさは勿論必要だけど、こういう相手を安心させるような雰囲気も大事だと思う。



「どうして、分かったんですか?私が寂しい思いをしているって……」

『何度も入退院を繰り返しているし、慣れているだろうなとは思ったけど、何だか気になったんだ。それに、一番の理由は一緒にご飯を食べたかったから来たんだよ』

「…あり、がとうございます////」



爽やかな顔立ちが、笑うことで更に爽やかな顔になり、私は思わず照れてしまった。


男の色気を持ってるっていうのは、昴さんみたいな人のことを言うのかもしれない。


まだ16歳の私には刺激が強いかも…なんて思ってしまう。





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