Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『何かあったのか?』

"「何もないよ、眠れないだけ。京ちゃんは何してたの?」"

『俺は飯食ってた』

"「こんな時間に?太った京ちゃんは出来れば見たくないなぁ~」"



クスクスと笑うまりあの声は落ち着いていて、何もないとは言っているが何故か少し不安になった。


まりあは弱そうに見えて芯のある、強い奴だと思う。


ただ、その強さが心配なところでもある。



『電話しねぇ方が良かったか?』

"「そんなことないよ。京ちゃんはこの星空見てるかなぁ?なんて考えてた」"

『今は見てねぇけど、さっき少しだけ見た。明日は晴れだな』

"「そうだね。今度は一緒に見ようよ…どこかの展望台で」"



展望台……。


そういえば、入院してた時に病院の展望室に1回行ったっけな。


あん時会った女の子、元気にしてっかな……。



"「京ちゃん?」"

『あ、あぁ。良さそうな所探して連れてってやるよ』

"「約束だよ」"

『あぁ』



気付けばまりあとの約束でいっぱいになっちまいそうだなと思った。






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