Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
*****



「もうお子ちゃまは眠たいから寝るね」

"『あぁ、しっかり寝ろよ』"

「京ちゃんもね、お休み」

"『お休み』"



京ちゃんと電話を切った後も、余韻に浸っていたくて中々耳から携帯を離せなかった。


京ちゃんと会った展望室は、いつの間にか私を癒してくれる場所になっていた。


入院初日にここに来るのは、あの時みたいに京ちゃんが強さをくれる気がするから。


入退院を繰り返していた私は、今回もいつもと何も変わらないと思っていた。


だけど違った………。



「京ちゃんがいる…記憶の中の京ちゃんじゃなくて、今の京ちゃんが傍にいてくれる」



恋はこんなにも私の心を強く、逞しくしてくれる。


今なら何でも出来そうな…無敵な気分。


京ちゃん…大好きだよ……。





< 73 / 253 >

この作品をシェア

pagetop