Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
誰か知り合いに会ったとしても、まさか私がここに入院しているとは思わないだろう。


普段と同じ様な格好をしているから。


今私は病院内の、とある場所に向かっている。


そこには毎週木曜日の午後8時にいつも訪れていた。


でも、今は学校に行っていない為、行ける時には行くようにしている。



『まりあお姉ちゃんだ!!』

「優(ユウ)君っ!!」



ゲーム機を握り、車椅子に座っている優君に駆け寄った。


そう、私は今小児科の憩いの場に遊びに来ている。


ここで子供たちとゲームをしたり、本を読んであげたりしている。



「何のゲームをしてたの?」

『今日はパズルだよ!!』



ハキハキ元気よく話してくれる優君。


そんな優君は生まれつき心臓に疾患があり、私同様入退院を繰り返している。


ここで接している子供たちにも、私が病気を患っている事は一切話していない。






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