Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『まりあお前の気持ちも分かるが、大津先生の言う通りそれでは外出は無理だ』

「嫌ッッ…ぃ、や……」



口を開けば開く程涙が溢れ、枕が冷たくなっていく。


泣きたい訳じゃない…泣きたい訳じゃないのにッッ。



『まりあ…何処に行く予定だったんだい?』

「…京ちゃんのッッ学校…今日文ッッ化祭な、のッッ」

『成瀬君と約束を?』

「ッッぅん」

『成瀬君はまりあの病気の事を知っているのかい?』

「ッッ…」



私は答える事が出来なかった。


京ちゃんが知らないって知ったら、尚更外出許可なんてもらえなくなる。


お父さんの顔がどんどん険しくなっていく。


同時に私の胸も締め付けられるようだった。






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