あなたにおくる唄
中二-あの日々にサヨナラ-




ガンッ




私は倉庫の隅を背にしていてよけることができなかった。
スパイクは左腕に当たった。

また、痣が一つ増えてしまった。



ガンッ

―――二つ。


ガンッ

―――三つ。


ガンッ

―――四つ。



痣が、傷が、毎日のように増えていく。



「中原。お前、自分の立場わかってんの?」

「後輩なら先輩の顔たてるってのが筋だろうがよ」

「聞いてんのか!?」



ガツンッッ

金属バットが床に叩きつけられる。

その音に、私の身体は縮こまってしまう。




―――立ち向かえ!!!




遠くで自分が叫んでる。

でも私の身体はどうしても動こうとはしない。







怖い

すごく、怖いよ―――。




< 1 / 13 >

この作品をシェア

pagetop