あなたにおくる唄
中二-あの日々にサヨナラ-
ガンッ
私は倉庫の隅を背にしていてよけることができなかった。
スパイクは左腕に当たった。
また、痣が一つ増えてしまった。
ガンッ
―――二つ。
ガンッ
―――三つ。
ガンッ
―――四つ。
痣が、傷が、毎日のように増えていく。
「中原。お前、自分の立場わかってんの?」
「後輩なら先輩の顔たてるってのが筋だろうがよ」
「聞いてんのか!?」
ガツンッッ
金属バットが床に叩きつけられる。
その音に、私の身体は縮こまってしまう。
―――立ち向かえ!!!
遠くで自分が叫んでる。
でも私の身体はどうしても動こうとはしない。
怖い
すごく、怖いよ―――。