あなたにおくる唄
「なんか言えし」
「ダメだよ、こいつ、口ねーもん」
「口はなくても自分だけマウンド立とうって図々しさはあるってか?」
しょーもねーーー!!
笑い声が倉庫に響き渡る。
私はただ終わるのをじっと待っていた。
サア――――――...
頭から何かが降りかかった。
足元には白い粉が積もっていく。
石灰か...。
「今日はこのへんにしといてやるよ」
「掃除、任せたよー」
「もういい加減、学校来ないでね!」
そう言い残して彼女たちは倉庫の扉を閉めて行った。
暗い倉庫で床にズルリとすべり落ちる。
耳にこだまする言葉―――
『もういい加減、学校来ないでね!』
うん。
もう来ないよ。
今日でこの学校とはサヨナラだから。