あなたにおくる唄
「ねえ、何の話してるのー?」
「そのバンド、私も好きだよ!
ドラムの人がさー」
「次って、なんの教科だっけ?」
誰も、何も答えてくれない。
目も合わせてくれない。
―――誰か私を呼んで!!!
「中原ぁ~」
やっと呼んでくれた...。
よかった...!
「学校、来るなって言わなかったっけ?」
聞き覚えのある言葉に振り向くと
そこには“彼女たち”がいた。
お願い――――
来ないで!!!
延々と続く真っ直ぐな廊下を、その先にある扉に向かってひたすら走る。
走って、走って、走って、
走って、走って、走り続けて
ようやく扉に辿り着いた。
夢中で扉を開けた。
出口だ――――!!!
と思ったのもつかの間。
そこは闇。
私は真っ逆さまに暗闇の中へ落ちていった。
「きゃああああああああっっ!!!!!」