あなたにおくる唄


一時間目の休み時間。
どこを見渡してもグループで集まって
おしゃべりしていた。

そんな中、私は一番後ろの席でひとり、
座っていた。



グループ、やっぱりできちゃってるよね。


しょうがないよ。

だって私、転入生だし。
腫れものだよね。


頑張るって決めたのに。
変わってやるって、決めたのに。

積極的に って、
どうやって?

もう友達の作り方なんか忘れちゃった。




『お前図々しいにもほどがあるって』
『先輩の顔たてるのが筋だろうが』


『和紗、うちらとは違うもんねー』
『天才はうちらとやってもレベル違いすぎてつまんないっしょ?』
『天才はよそでやってくださーい』





やっぱり、ダメなのかな。

どこに行ったって、あの頃の私のままなのかな。

変われないのかな。

変わりたいのに...。

こんな自分、誰にも好かれるわけない。






あのとき、

死んでおくべきだったかな?









話し声が、笑い声が、耳に障る。


目にたまった涙がこぼれ落ちそう。




その時だった。

< 8 / 13 >

この作品をシェア

pagetop