愛を知った時
私は、そんな香が愛おしくなる。



「もう………充分だよ」


「えっ?」





――――ギュッ





私は後ろから香を抱きしめた。




「香が大好き。…香…ずっと私と付き合って下さい」





「……結花」





「…嫉妬しちゃって…ごめんなさい。私、香を信じるから」





「…もう不安にさせないから」



「約束?」



私は小指を出した。




「約束」





そう言って、『指きり』をした。






夕日ははすっかりと顔を隠し、変わりに大きな月が顔を出していた。






『愛してる』
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