愛を知った時
「本当にありがとうございました」

「気にしないで~~」


彼はそう言ってはにかんだ。


「あっ!私、結花って言います。お名前聞いても良いですか?」

いつに無く饒舌な私。

「あっ、うん」

そう言いながらも少し困り顔の彼に、慌てて


「ごめんなさい、イヤじゃなければで…」

と言った。


すると彼は、

「ううん、大丈夫大丈夫。コウです。香るって書いてコウ」

「珍しい漢字!!」

「女みたいでしょ(笑)昔からそれが嫌でね~~」


少し照れている彼は、子供みたいな表情をしていた。


「そんな事無いです。綺麗な名前」

「そう??ありがとう結花ちゃん。結花ちゃんも可愛い名前だよ」



なにそれ~~超不意打ち!!



あんまり真っ直ぐな目で言うもんだから、恥ずかしくなり顔が真っ赤になっちゃった!!


悟られない様にうつむいていたら、


「どうしたの??」


「えっ…な…何も……!!!コ…コウさんは…目がキレイですね」


と訳分からない事を言っちゃった…



コウさんはキョトンとした顔のあと、頭をポンポンとなでながら


「ありがとね、結花ちゃん」


と言ったコウさんは、すごく大人でドキドキしちゃった。


「いえ…そんな…」

「さてと…帰ろうかな。」

「あ、ありがとうございました。」

私は、ぺこりと挨拶しながら電車に乗りこんだ。



………コウさんか……



素敵な目をしてたな。。。

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