愛を知った時
――本番――
私達のショーは、かなりの盛り上がりを見せた。
2ヶ月もの間準備してきたのだ。
みんな、やりきった顔をしていた。
お客さんはほぼスタンディングしている。
私は衣装のまま、笑顔で手を振った。
その後、みんなで衣装のままお客様を送り出す。
両親には先にお店に行っててもらう事にした。
メイクとか、落とさなきゃならないしね。
香も一緒に行く事になり、かなり緊張していた。
「結花、早く来てね!!」
そう耳打ちしてきた。
弱気な香も可愛いかも…なんて悠長な事を言っている場合じゃないよね。
私は早々にメイクを落としてお店に向かった。