愛を知った時
香さん『広瀬』って言うんだ。


私はなるべく平然を装った。




……つもりだけど、どうだったんだろう。。。




私の番号も送り交換終了。


「香さん…」

「なに?結花ちゃん」


「…………あの」

「ん???」


もじもじしながら、思い切って香さんに聞いた。


「メ……メールしても良いですか?」

「してして。最近この携帯鳴らないからさ!」


そう言うとニコッと笑った。





またまた、






―――――キュン―――――






いや、ズキュン!!!!



香さんズルいっ!!!!





私は香さんの目を見ながら小さく頷いた。


香さんも真っ直ぐ目を見ながらもう一度笑ってくれた。


その頃には、香さんの目に吸い込まれそうな不思議な感じになっていた。



香さんはチラッと時計を見ると

「そろそろ行かなきゃ、じゃあね結花ちゃん」

そう言うと、軽く手を振って駅に向かって行った。


私も小さく手を振った。


香さんは、もう1度振り返るとバイバイと口パクで言い行ってしまった。






―――広瀬 香さん―――






私は完全に『目が感じて』しまっていた。
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