愛を知った時

「結花ちゃんも卒業式有るんだから、早めに帰りなさいね」

「ありがとうございます」


そう言っておふくろは手を振り帰って行った。



2人にさせてあげたい、そんなおふくろなりの優しさなのだろう。




卒業式かぁ……



見たかったなぁ~

結花の卒業式。。


でもこれ以上迷惑かけられないしな。



何か準備をしなきゃって言ってたし……




「結花も……明日帰れよ」


「えっ?」

驚いた顔をした後、悲しげな目をして俺を見た。




そんな顔すんなよ!!




帰したくなくなるだろ。




「何も準備してない…だろ。俺は大丈夫だからさ」



「…………分かった。」




やっぱり悲しげな目をする結花。



あ~~何て可愛いんだ!!




「卒業式終わったら、又来てくれる?」


「もちろん!!!ソッコー来る!!!」


今度は、子犬みたいにしっぽを振りながらキラキラした目で答える。



「アハハハありがとう。それまでに回復させるからね!」





「絶対だよ」




「ああ、約束」



「約束。。。」




俺達は、固く小指を結びつけた。


< 228 / 397 >

この作品をシェア

pagetop