愛を知った時
「結花ちゃんも卒業式有るんだから、早めに帰りなさいね」
「ありがとうございます」
そう言っておふくろは手を振り帰って行った。
2人にさせてあげたい、そんなおふくろなりの優しさなのだろう。
卒業式かぁ……
見たかったなぁ~
結花の卒業式。。
でもこれ以上迷惑かけられないしな。
何か準備をしなきゃって言ってたし……
「結花も……明日帰れよ」
「えっ?」
驚いた顔をした後、悲しげな目をして俺を見た。
そんな顔すんなよ!!
帰したくなくなるだろ。
「何も準備してない…だろ。俺は大丈夫だからさ」
「…………分かった。」
やっぱり悲しげな目をする結花。
あ~~何て可愛いんだ!!
「卒業式終わったら、又来てくれる?」
「もちろん!!!ソッコー来る!!!」
今度は、子犬みたいにしっぽを振りながらキラキラした目で答える。
「アハハハありがとう。それまでに回復させるからね!」
「絶対だよ」
「ああ、約束」
「約束。。。」
俺達は、固く小指を結びつけた。