愛を知った時

―――コンコン



「結花!!看護婦さんから聞いてたよ~」

「なんか、声かけるの悪くて…勝手に借りたよ~」


香はかなり元気に見えた。


顔色も良く、足こそまだ完治していないものの他は健康そのものだった。


「来て早々にごめんな~それより卒業おめでとう!」

「ありがとう。」

嬉しそうな顔の香は、私の疲れを一気に吹っ飛ばすんだ。

「卒業式どうだった?」

「泣けたよ…不思議な感じ…」

「そっか…」


私は香の横に座ると、コンビニの袋からご飯を出し食べ始めた。



そんな私に


「結花…会いたかったよぉ~~」



そう言ってベッドから身を乗り出しキスをする香。



「な…なに?急に…私も会いたかったけど…」




「俺……結花切れになってた…」




香がしおらしく言う。





かわいい……







私は香を抱きしめた。







香はもう一度、優しいキスをした。



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