愛を知った時
昨日、帰ったきり結花から連絡がない。
片付けが大変なのな?
結花の事が、頭から離れない。
時計を見たり、ウロウロしたりと忙しない俺。
我慢できずに、気づいたら電話をかけていた。
「どうしたの??」
「結花なんで今日来ないの?」
戸惑う結花。
「えっ?だって引越の準備が…今は終わったけど」
「そっか…」
「何か有ったの?」
心配そうな声で尋ねてくるんだ。
「…………寂しかった…」
だからつい、甘えてしまった。
「今からいくっ!!!」
そう言い残し、結花は電話を切った。
俺は後悔してる反面、嬉しくて仕方無かった。
すぐにお気に入りの場所に行って、結花を待った。
屋上から地面を見下ろしてると、ものすごい勢いで走って来る子が居た。
『結花!!!』
俺はメールを送った。
――――――
上見て!
――――――
結花が上を見上げる。
俺は屋上から手を振った。
『こっちこっち』そう手招きし、非常階段がに誘導する。
結花は首を傾げながらノブに手をかける。
もちろん、鍵が開いてるのは知ってた。
するりとドアが開き、驚きつつも中に入っていった。
俺は、結花が階段を昇ってくるのを待った。