愛を知った時
彼女は小動物のような小さい顔をしていた。


ウルウルさせた瞳はクリッとしていて、その上に長くはっきりした睫が有った。


彼女はその大きな目をウルウルさせながら。




「ありがとうございます」



と答えた。







か…可愛い…








って俺は何を考えているのか!!!


こんなに純粋な目をしている子に対して不純な!!!



そんな葛藤を悟らないように



「それじゃ」



そう言って歩きだそうとした。


しかし、意外な事に


「あの…」


と声をかけてきた。




「はい??」

「…お礼…お礼させて下さい」



お礼って何もしてないし…



「えっ??いいよいいよ!!!」


「いや、私の気が済みません!」



そう言って、真っ直な目で俺を見た。
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