愛を知った時
「それじゃ、広瀬さんの退院と昇進を祝ってカンパ――――イ」
「カンパ――――イ」
結花は、苦そうな顔をしてビールを置く。
『無理して飲まなくて良いぞ』
俺はそう囁いた。
みんなのテンションの高さったらなかった。
俺はジンジャエールで酔えないし、結花は絡まれてるし。
でも、何だかみんな温かいんだよね。
なんて浸ってると。
「結花ちゃ~ん、広瀬さんとの馴れ初め聞きたい!!」
酔っ払った女性社員がふる。
危うくジンジャエールを吹きそうになった。
結花はは真っ赤になってしまう。
「可愛い!!!で…何がきっかけ?」
「聞きた~~い」
今日はいつもと違って、最後だから容赦ない。
「ば~か、いじめるなよ」
「ヒュー――――広瀬さん仕事と結花ちゃんの事になると怖いんだもんね~~」
「広瀬先輩、今日は容赦しませんよ~」
結花は俺に助けを求めてる。
今にも泣きそうな結花。
今言わないと余計キツくなるな。
俺はハァ~~と溜め息をつき頷いた。
結花はそれをきっかけに、馴れ初めを話した。