愛を知った時
―プロポーズ―香編
――――次の日

俺達は早々とホテルをチェックアウトし新幹線に乗り込んだ。


東京に着くと各家に帰った。


「今日の夜、荷物が着くから又連絡するわ」


そう言って別れた。


俺は1度家に帰り、荷物を整理した。



荷物が来るのが夜だし…



そう思い、かねてから考えていた物を買いに新宿に向かった。


久々の新宿は人で溢れかえっていた。



こりゃ疲れるな。。。



普段からこんなに人が居るところに行かないのに、病み上がりはさらにキツイ。



人酔いしながらお店を回る。



俺は良く分からなかったけど、以前見かけて結花が気に入っていたのに似たのを発見した。


あんまり来ない感じのお店だから緊張する。



みんな手袋をはめ、スーツを着て丁寧にお辞儀をする。



俺は緊張しながら、

「すみません」

そう声をかけた。



「はい、お客様。何をお探しですか?」


「あ…婚約指輪を…」


「おめでとうございます。」


何だか丁寧な対応になれてない俺は、むずがゆくなる。


「何か、お気に召したものは有りましたか?」

「あの、ディスプレーされているものを。」

「はい、かしこまりました。」


そう言って、ショーウィンドーから1つのリングを出してきた。

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