愛を知った時
次の日、少し早めに起きた。

会社に行かなきゃならないのだ。

シャワーを浴びて支度をした。


俺はスーツを着てレンタカーを取りに行ってから、その車で会社に向かう。


「あの……」


そういった俺を、みんなが囲む。


久しぶりの顔ぶれに、俺も何だか安心するよ。


「体…大丈夫か?」


佐々木が聞く。

俺は頷いて安心させた。


「本当、ご心配をおかけしました」

俺はみんなにお詫びをする。


上司のデスクに行きご報告と、お土産を持っていく。


「本日戻りました。色々ご心配をおかけしました。明日から仕事に復帰させて頂きます。」


「おかえり、広瀬君。元気そうな顔を見てホッとしたよ。これからもよろしく頼むよ。」


そう言って、握手をした。


「精進します。」

「就任パーティーまでには、体を万全にしとくようにな」

「はい。」

俺は深々と頭を下げた。


みんなと少し話してから、会社を後にする。


その後、昨日のお店に行く。

やっぱり少し緊張してお店に入る。


「いらっしゃいませ、広瀬様ですね。お待ちしておりました。」


奥から小さな箱を取り出した。

「こちらでございます」

店員さんは、丁寧に箱を開ける。

小さいけど可愛らしいリングが光る。


「ありがとうございます」


店員さんは箱を受け取り綺麗に包む。



何だか緊張してきた。



「広瀬様、お待たせいたしました。」


そう言って、綺麗に包まれた箱を袋に入れて渡す。


「ありがとうございます。」


俺はお店を出る。


やっぱり、お店を出ると少しホッとしてしまう。



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