愛を知った時
私達は送り届けた後、電車で帰った。


飲んだからね。


「香、疲れたでしょ。」

「本当に、親父に何言われるかハラハラしちゃったよ(笑)」

「何か有るの?」

「何にも」

そう言って結花の肩を引き寄せた。

「それより、来週の日曜日ってあいてる?」

「入社式の前日だから、あんまり遅くなれないけど大丈夫だよ。なんで?」

「俺の、課長就任パーティーが有るからさ。来て欲しいなって…」

「もちろんだよ!!」


そんな大切なパーティーに呼んでくれるなんて…


「本当に?!ありがとう」

「あっでもマナーとか分からないけど…」


俯きながら話す私に、


「大丈夫、俺が居るからさ」


そう言って手を繋いだ。

「気負うなよ。結花は結花で良いんだから」

「…うん」



そうは言っても…


奥さんになるんだからな。


いろいろ学ばなきゃだ。



「精進します」


「俺も、精進します」



そう言って2人で笑った。
< 299 / 397 >

この作品をシェア

pagetop