愛を知った時

「広瀬様がご到着されました。」


そう司会者の様な人がマイクで言う。


私は、隅に居るので精一杯だった。


香は、次々と色んな方とお話ししていく。


何だか、香が遠くに言ってしまったように感じちゃった。。。


私は、邪魔にならない様にご飯を食べていた。



「結花…ここに居たのか。大丈夫?」


香が私を見つける。


「大丈夫じゃない…」


泣きそうになりながら言う。


「そうだよな、誰も知らないんだもんな。」


そう言うと、思い出したかの様に歩き出して一人の男性を連れてきた。


「や…矢田さん!!」

「久しぶり、結花ちゃん」


そう、連れてこられた人は大阪に居た【矢田さん】


「何でここに?」


「結花ちゃん、一応俺も課長だからさ(笑)」


「そっか…」


何だか間抜けな事を聞いてしまったみたいで恥ずかしくなる。


「少しの間、結花を頼む」

「はぁ??」

そう言うと、香は行ってしまった。


「今日は、しゃーないな」

「矢田さんの時もこうだったんですか?」


不安そうな私に、いつも通りの口調で


「こんな感じやな。でも、広瀬は期待されてるからな」


「ふ~~ん、そうなんですか」


私、香の会社の事全然知らないや…

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