愛を知った時

私はあまりにも急な事で、状況が把握できていない…


急に名前を呼ばれ、びっくりして硬直状態の私。



『樋口結花さん、壇上にいらしてください』



そんな司会者の声に、矢田さんは固まってる私の背中を押すと


「結花ちゃんの事やで」


そう促され、前へと歩き始めた。



その後は、緊張のあまり記憶にない。


舞台上に上がり拍手をもらい、後は香が全てサポートしてくれるままに行った。



帰ったら矢田さんに


「あいつ…本当にやりよったわ」


「矢田さん、香から何か聞いてたんですか?」


「…婚約パーティーにする!って」


「は??計画的だったの?」





やられた!!






「あいつの愛は深いで。結花ちゃんを幸せにすると思うわ。」



そう言ってウインクする矢田さんに、



「…私も…そう思うよ」



ってお返しの笑顔。




「あら、ノロケられたわ」



だって。


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