愛を知った時
矢田さんの第一声は


「お前ずいぶんと派手にやったな」


そう言って肩を叩く矢田さん。


「そうですか?」


さっきの嫉妬の名残か、素直じゃない俺。


子供かよ!!


そんなことお構いなしに

「もう、悪さ出来ないぞ!!」

だってさ。

「ちょっと矢田さん!!変な事教えないでよ!!」


そう言って結花は矢田さんを睨む。



「結花ちゃん可愛いなぁ」



って、又嫉妬する俺。



結花の事になると、とたんに冷静じゃなくなるな…



「結花、疲れただろ。帰ろうか?」


そういった俺に


「広瀬、もう帰るのか?」


と、寂しそうな矢田さん。


「あっ、私明日早いから、矢田さんと飲みに行ったら?」


結花が気を利かせてくれる。


俺は矢田さんにお礼もしたかったから、そうさせてもらう事にした。

「ん…ああ…じゃあ、そうするかな。」

「広瀬、可愛いお姉ちゃんが居る店知ってるぜ」


そう言って矢田さんはニヤけながら結花を見る。


「ちょっと~~矢田さん!!!!!」


結花は顔を真っ赤にして、バシバシ矢田さんを叩く。


「ウソウソ!ごめんよ!結花ちゃん!!」


俺達と別れて、結花はタクシーに乗り帰って行った。

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