愛を知った時
あまりにも純粋で可愛いから、頭をポンポンと撫でた。


「そうだよ。大人は大変なんだよ~」


結花ちゃんは、頭を撫でられたせいか真っ赤になっていた。


結花ちゃんは俺の方を見て

「もう、お仕事終わりですか?」

「いや、これから会社に帰って残ってる仕事を済ませなきゃ」

「会社に戻るんですか…」



俺は


『本当は戻りたくないんだよ』


と言う言葉をかろうじて飲み込んだ。




「俺も学生の頃に戻りたいなぁ~~」

そう言ってから時計を見た。

そろそろ戻らなきゃいけないな。



現実に引き戻された俺は、会社に戻らなきゃいけない事を結花ちゃんに告げようとした。





「香さん……ケータイ…バンゴウ…オシエテクダサイ」






俺は一瞬目が点になった。







そして爆笑!!!








「最近の若者ってカタコトが流行ってるの??」






顔を真っ赤にしながら結花ちゃんは

「流行ってません!!!」

と目を潤ませながら言った。
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