愛を知った時
その時




----ブブブブ




電話が鳴った。

香さんからだった。


「ごめん!!!!まだ居る??仕事が長引いちゃって!!!」

「まだ居ますよ~」

「俺も今付いたからすぐ行くね!!本当にごめんね」

「大丈夫ですよ。待ってまぁす」

そう言って電話が切れた。

紳士的な香さんの態度に、私は少し安心した。


私はキョロキョロ周りを見回した。




----ポン




肩を叩かれ振り向いた。

そこには細身のスーツ姿の香さんが居た。

香さんは走ってきたのか息を切らしている。



もしかして、急いで来てくれたのかな?



「本当にごめんね。かなり待ったでしょ」


「大丈夫です。。。でも、約束忘れちゃったかと思って不安になっちゃいました。」



---ポンポン



香さんは、私の頭をなでてから


「結花ちゃんとの約束を、忘れるわけ無いよ。仕事が終わらなくて……直接来ちゃったから電話繋がらなかったでしょ」


「…はい」


「こんな所で立ち話もなんだし行こうか」


私達は、横に並びながら歩き出した。
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