愛を知った時
「ごめんなさい、あまりに綺麗だし嬉しくて……」


香さんは手で涙を拭ってくれた。


「座ろうか」


私達は、1番端のベンチに座った。

周りには2組のカップルが、絶景に酔いしれてる。

私達も、ベンチから見える夜景を無言で眺めていた。



この光の1つ1つに生活が有るって思うと、何だか不思議な気持ちになる。



このまま本当に時間が止まってしまうんじゃないか……



そんな静けさだった。



いつの間にかカップル達は、帰ってしまった様だ……



周りには私達しか居なくなっていた。

どおりで静かな訳だ。

なんて、勝手に納得していた。。。



そんな静寂の中、先に口を開いたのは香さんだった。
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