愛を知った時
バイクに跨り走り始めた。


結花ちゃんの温もりを背中で感じていた。


このままどこまでも行ってしまいたい…




帰したくない…





俺はその一心である所にバイクを走らせた。




――――ブゥゥゥゥン



バイクを停める。
俺はゆっくりバイクから降りた。


結花ちゃんはハテナ顔。


俺はメットをはずしながら『降りて』と手で合図する。


結花ちゃんは気を付けながらバイクから降りた。


『お散歩しよっか』


メットをシートの下に入れて俺達は歩き出した。



少し歩くと木々が生い茂った所から急に視界が開けた場所に出る。

そこは、少し整備されてるもののベンチが3つと、安全の為か柵が立てられているだけの場所だった。




「きれい」




そう、そこは横浜の夜景が見下ろせる場所なのだ。

俺が見つけた絶景スポット。
 

無数の星が地上に舞い降りた感じの夜景。



「意外と良いだろ~~昔ツーリング中に見つけたんだ♪」


俺は自慢気に話す。


俺はボソッと言う。



「結花ちゃんに見せたくて……」



結花ちゃんはポロポロと涙を流していた。



「ごめんなさい、あまりに綺麗だし嬉しくて……」


俺は手で涙を拭う。



「座ろうか」


俺達は、1番端のベンチに座った。

周りには2組のカップルが絶景に酔いしれてる。

俺達もベンチから見える夜景を無言で眺めていた。



ここに、好きな人と居る幸せ。。。



あの光に内の一つ一つに、幸せが詰まっている気がした。


このまま本当に時間が止まってしまうんじゃないかと言う静けさ。


いつの間にかカップル達は帰ってしまった様だ……

周りには俺らしか居なくなっていた。



どおりで静かな訳だ。


俺は話を切り出す。
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