愛を知った時
「結花ちゃん、今日は楽しかったよ。ありがとう」


「何か全部香さんに任せっきりで……本当に楽しかったです。こちらこそ、ありがとうございました。」

「楽しんでくれて良かったよ。」

「又遊んで下さいね。」

「…………」

「……嫌…ですか?」


結花ちゃんは不安そうに、黙る俺の顔を覗き込んだ。


俺は、結花ちゃんを真直ぐに見つめ返した。


俺は悩んでたんだ。。




今日、言ってしまって良いのか……




俺と付き合う事で、この子の将来の芽を潰してしまうんじゃないか…とか




色んな気持ちがよぎった。





でも、この好きって気持ちに嘘をつけない。




隠し通せる自信が無い。。




自分を騙し通せる自信が無い。。





「結花ちゃん……もう俺限界かも」




結花ちゃんは涙目になりながら俺に聞く。



「……嫌い…になり…まし…たか?」






――――ギュッッッッ







俺は結花ちゃんを抱きしめた。





気が付いたら、体が勝手に動いていた。





そして耳元で






『好きなんだ』







そう囁いた。



結花ちゃんは俺の胸の中で泣きながら言った。







『私も大好き』







信じられなかった…

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