夏の約束。


「え?あたしは…嫌だよ。自分勝手だから振り回されてばっかで。」


今回のことだって…。


まあ、結果的に離れたくないんだけどね…。


「仲良いみたいじゃん。こっち離婚してるし、兄ちゃんいるんだけどさ、兄貴の方出来がイイから、母親は俺のことあんま見てくれねーし。バカだから、俺。」



そういえば…そうだったような。

お兄さんの顔はイマイチ記憶にない…。

父親の顔は…あたしも知らない。多分、蒼たちを産んですぐ離婚したんだと思う。




「って、こんな話しにきたんじゃねー!まじ悪い!」


蒼は笑ってるけど、あたし笑えない。



こんな話されると、自分はどれだけ両親に大切にされてるか改めて思い知らされる。



「こんな話したくなかったよね?なんか…ごめん…。」



もっと本とか読んでおけば良かった。

言葉が見つからない。


「ありがとねっ!こんなあたしに話してくれて。」



たったこれだけしか思い浮かばない自分に苛立つ。



「んで、なんかあるの?話したいこと。」


「えぇーっと…。」


ここでいきなり、彼女いるの?なんて聞けないし…。


でも気になる!!



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