365日
多分校舎には誰も残ってない
そう思っていた。
が、しかし、階段のカーブを
曲がろうとしたその瞬間。…
俺の視界に女が現れた。
「あ…危ねっ!!」と言う間も
なく、ドンっと鈍い音と共に
俺も女も階段から落ちた。
ゴンッ
―何があったのだろうか?
しばらく意識が朦朧として、
そしてゆっくりと状況を把握
していく事ができた。
「……女っ?!女は無事か?!」
起きあがると頭に鈍い激痛が
走る。
見ると、女は俺の腕の中だ。
腕の中で女は俺を見つめている
ドキン
―この視線…俺、弱いかも…
女を抱きしめているなんて、
数ヶ月ぶりだった。
「おい?大丈夫か?」
ドキン
女は囁くように、
甘い響きを持つ声で、
俺の全てに問いかけた。
「ねえ…?」