私と彼が付き合う理由
「大丈夫ですか!お客様!」
慌てて駆け寄る店員達。しかし、それよりも早いスピードで、
「何やってるの!?」
私は立ち上がってしまっていた。
“はっ”
私ってば何してるの?!ここは座ったまま店員に任せて、「何してるのよ」ってこの男を叱咤すればいい話じゃない。なんで、この男の為に立ち上がったりして......。
否、それはどうしても任せておけなかったからなんだわ。あの男のことだもの、更に自体を悪化させかねない。店員ではなくて、私がなんとかしないと駄目だと思ったの。
目の前にはすいませんっとぺこぺこお辞儀をする彼。
............ああ、そうか。
そういうことなのね。