雪解けの頃に
6】マフラー
去年の12月25日。
理花の所に雄一からのプレゼントが届いた―――深みのある落ち着いた赤い色の、とても手触りの良いマフラーだった。
冬は日本の寒さとは比べ物にならないほど冷え込むニューヨーク。
防寒対策に理花はすでに何本ものマフラーを用意していた―――コートに合わせて、色とりどりのマフラーは5本。
その中に赤いマフラーはなかった。
自分では“赤は似合わない”と思っていたから。
同封されていたカードには
『マフラーなんていくつも持っているだろうけど、理花にすごく似合いそうだったから思わず買ったんだ』
と書いてあった。
理花はさっそく鏡の前で、もらったマフラーを巻いてみる。
「うん、良い感じ。
……なんだ。私、赤も似合うじゃない」
華やかさはあるけれど、下品な派手さはない。
日本人特有の肌の色にぴったりと合って、理花の顔立ちを引き立てる。
なんだか自分が数段美人になったようにすら思えた。
雄一が言う通り、彼がくれたマフラーは理花が持っているどのマフラーよりも似合っていた。
理花の所に雄一からのプレゼントが届いた―――深みのある落ち着いた赤い色の、とても手触りの良いマフラーだった。
冬は日本の寒さとは比べ物にならないほど冷え込むニューヨーク。
防寒対策に理花はすでに何本ものマフラーを用意していた―――コートに合わせて、色とりどりのマフラーは5本。
その中に赤いマフラーはなかった。
自分では“赤は似合わない”と思っていたから。
同封されていたカードには
『マフラーなんていくつも持っているだろうけど、理花にすごく似合いそうだったから思わず買ったんだ』
と書いてあった。
理花はさっそく鏡の前で、もらったマフラーを巻いてみる。
「うん、良い感じ。
……なんだ。私、赤も似合うじゃない」
華やかさはあるけれど、下品な派手さはない。
日本人特有の肌の色にぴったりと合って、理花の顔立ちを引き立てる。
なんだか自分が数段美人になったようにすら思えた。
雄一が言う通り、彼がくれたマフラーは理花が持っているどのマフラーよりも似合っていた。