雪解けの頃に
私は病院からの帰りに、雄一に指示された店に出向きました。
店員に雄一の名前を告げると、店の奥から綺麗な布にうやうやしく載せられたブローチを持ってきてくれました。
アメジストがついたシルバーのブローチです。
聞けば、この店のジュエリーデザイナーはオリジナルの1点物しか作らず、半年もの予約期間が必要なのだとの事。
今回はデザイナーの体調不良によって作業が大幅に遅れていたんだそうで。
でも、昨日無事に納品されたということです。
店員が言っていました。
“このブローチをご注文された雄一さんという方は、よほどお相手のことを大事に思っているのでしょうね。
実は、他にもご予約された方が数名いるのですが、どうしても間に合わなくて、受け渡し日を数日延ばしていただくお願いの電話をしたんです。
納期に間に合ったのは雄一さんだけなんですよ。
雄一さんの想いの深さが伝わりますね。”
そう言って、小箱に詰めたブローチを渡してくれました。』
「うっ、うう……」
それを読んだ理花の口からは、たまらず嗚咽が漏れた。
店員に雄一の名前を告げると、店の奥から綺麗な布にうやうやしく載せられたブローチを持ってきてくれました。
アメジストがついたシルバーのブローチです。
聞けば、この店のジュエリーデザイナーはオリジナルの1点物しか作らず、半年もの予約期間が必要なのだとの事。
今回はデザイナーの体調不良によって作業が大幅に遅れていたんだそうで。
でも、昨日無事に納品されたということです。
店員が言っていました。
“このブローチをご注文された雄一さんという方は、よほどお相手のことを大事に思っているのでしょうね。
実は、他にもご予約された方が数名いるのですが、どうしても間に合わなくて、受け渡し日を数日延ばしていただくお願いの電話をしたんです。
納期に間に合ったのは雄一さんだけなんですよ。
雄一さんの想いの深さが伝わりますね。”
そう言って、小箱に詰めたブローチを渡してくれました。』
「うっ、うう……」
それを読んだ理花の口からは、たまらず嗚咽が漏れた。