車道

――1――

南青山から、北へ
入り
表参道に出ると

ふっと、睡魔が瞼に襲って来る
感覚を覚えた。

川田は、それでも
帰宅の途中だったので
黒縁のハンドルを
悠然と左へ切った。

乾いた音と共に
タイヤが軽く悲鳴を上げていたのに
気が付いた。

「ふぅ…これでいくつ目だろうか」

冬場のスノーボードは、人の入りが
何かと多く

この近くのスキー場で、スノーボードのインストラクターをしている自分は

一番良く、それを理解していた。
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