「此処に、水道口がありますでしょ。
直ぐ、側だったもので
今でもよう覚えておりますに。

お母さまが、お亡くなりになった時でしたかな?」

「はい」
勿論、語尾は聞き取れないかもしれ無い。

「そりゃあ、大変でしたもんねぇ。
あ、失礼。
あまり その様な事を話しても
嫌になるだけですね」

と、手を右往左往させながら
空になった桶に柄杓を入れた。
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